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第7回 デジタル資産の相続手続を知っておこうー仮想通貨の場合

仮想通貨(正式には「暗号資産」といいます。)は最近ポピュラーになってきました。ビットコイン、イーサリアム、リスク、リップル等々いろいろな種類があります。ビットコイン等は一時はかなり値上がりした時期もありましたので、相続時の財産に含まれる可能性があります。

仮想通貨の相続については、国税庁が2018年11月に手引きを公開しています。それによりますと、「被相続人等から仮想通貨を相続若しくは遺贈又は贈与により取得した場合には、相続税又は贈与税が課税されます。」とされています。従いまして、仮想通貨を相続した場合は相続税がかかることになります。仮想通貨は、「代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値」とされています。つまり、売買のための決済の手段として使用できるのです。いわば現金とか電子マネーと同じ扱いです。金銭的価値がありますので、当然ながら、被相続人等から仮想通貨を相続した場合には、相続税が課税されることになるのです。では、仮想通貨は相続税の計算においてどのように評価されるのでしょうか。

少し、専門的な説明になって恐縮ですが、たとえば、ビットコインのように活発な市場が存在する仮想通貨は、相続人等が取引を行っている仮想通貨交換業者が公表する課税時の価格によって評価します。仮想通貨の評価方法については、相続税の評価通達に定めがないことから、評価通達に定める評価方法に準じて評価することとなります。この場合、活発な市場が存在する仮想通貨については、活発な取引が行われることによって一定の相場が成立し、客観的な交換価値が明らかとなっていますから、相続人が取引を行っている仮想通貨交換業者が公表する課税時における取引価格によって評価します。

簡単に言えば、外国通貨の評価に似ています。ドルとかユーロのような外国通貨もマーケットの取引相場によってその価値が変わります。仮想通貨もこの外国通貨と同様に課税時期における取引価格を使います。

国税庁の手引きには、「仮想通貨交換業者が公表する課税時期における取引価格」には、仮想通貨交換業者が納税義務者の求めに応じて提供する残高証明書に記載された取引価格を含みますとされていますので、具体的には、この「残高証明書」を仮想通貨交換業者から取り寄せればよいことになります。残高証明書を入手しましょう。この残高証明書の請求の方法は、仮想通貨交換業者によって異なるのであらかじめ確認しておく必要があります。

なお、活発な市場が存在しない仮想通貨の場合には、客観的な交換価値を示す一定の相場が 成立していないため、その仮想通貨の内容や性質、取引実態等を勘案し、個別に評価することになると思います。

ビットコインのような活発な市場が存在する仮想通貨の相続手続きの概要は、次のようになります。残高証明書の入手の仕方を含めて説明します。

1 相続人から仮想通貨交換業者に連絡し、残高証明書を含め必要な書類を請求します。

まず、相続人から仮想通貨交換業者に連絡し、残高証明書を含め必要な書類を請求します。仮想通貨交換業者によって、問い合わせ方法は異なりますが問い合わせフォームが用意されていて、それに必要事項を記入して請求するケースが多いようです。

また、一般的には以下の必要書類を郵送する必要がありますので準備が必要です。

①戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、法定相続情報一覧図のいずれか 1通(原本)

②代表相続人の本人確認書類1通

③相続人の個人情報の取扱いについての同意書

仮想通貨交換業者から相続人に以下の書類が送られてきます。

①残高証明書

②仮想通貨売却依頼書

③建玉決済依頼書

④出金依頼書

➄口座抹消依頼書

3 残高証明書等の書類を受領したら、一般的には仮想通貨交換業者に以下の書類を郵送します。

①共同相続人同意書(口座に残高がある場合)

②仮想通貨売却依頼書

③建玉決済依頼書

④出金依頼書

➄口座抹消依頼書


また、一般的には、仮想通貨交換業者から次の書類が要求されます。


【遺言書がない場合】

①相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書

②相続人全員の印鑑証明書

③遺産分割協議書がある場合は遺産分割協議書(法定相続人全員の署名・捺印があるもの)

【遺言書がある場合】

①検認調書または検認済証明書(公正証書遺言以外の場合)

②その預金を相続される方(遺言執行者がいる場合は遺言執行者)の印鑑証明書

③裁判所で遺言執行者が選任されている場合には、遺言執行者の選任審判書謄本


【家庭裁判所による調停調書・審判書がある場合】

①家庭裁判所の調停調書謄本または審判書謄本

②審判書上確定表示がない場合は、さらに審判確定証明書

③その預金を相続される方の印鑑証明書

4 相続人の銀行口座への出金、口座を解約の上、相続手続き完了のお知らせが相続人に郵送されたら手続は完了です。

令和2年9月25日(金)

公認会計士

小林茂夫

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