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第18回 扶養義務者間の資金援助を活用しよう
扶養義務者に資金を援助した場合には、贈与税の課税対象になる場合とならない場合がありますが、通常、生活に必要な資金を援助する場合には贈与税はかかりません。相続税法上、扶養義務者相互間において、生活費又は教育費に充てるため贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるものは、贈与税が非課税になります。
ですから、祖父母に財産がある場合には、孫に生活に必要な資金を出してあげることで相続税対策になることがあります。ただし、必要な資金はその都度支出する必要があり、一括して渡したり、贈与した分を預貯金や不動産の購入資金にした場合には贈与税の課税対象となります。また、充分に資力のある子や孫に対する生活費の贈与は課税の対象とされる可能性があるので注意が必要です。
具体的には、扶養義務者相互間において大学の入学金や授業料の負担や、留学の渡航費や授業料の負担は贈与税はかかりません。また、結婚式や披露宴の費用を親が負担した場合も贈与税はかかりません。なお、教育資金につきましては、第15回で述べた教育資金一括贈与に対する非課税特例の規定が別途ありますので参考にしてください。
令和2年10月19日(月)
公認会計士
小林茂夫