検索
  • kobayashishigeo

第17回 生前贈与加算の非対象者への贈与を検討してみよう

生前贈与加算とは、相続又は遺贈により財産を取得した者がその相続開始前3年以内にその相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合においては、その者については、その贈与により取得した財産の価額を相続税の課税価格に加算するという規定です。つまり、相続開始前3年以内の贈与は、その贈与財産の価額が相続税の課税価格に持ち戻されます。

しかしながらこの規定の対象は、相続又は遺贈により財産を取得した者に対してです。そのため、相続人以外の者や相続人であっても財産を取得しない者に対する贈与については適用がありませんので、これらの者に生前贈与をすれば有効な相続税対策となります。たとえば、相続人でない孫や相続人である子の配偶者、財産を取得していない相続人への贈与がこれにあたります。

一般的に、孫への贈与は、贈与について世代を飛ばすことにより相続税の支払い機会が1回減少することになりますので総支払額を少なくできることになります。また、贈与ですので相続時に発生する相続税の2割加算が適用されないことになります。

令和2年10月17日(土)

公認会計士

小林茂夫

2回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

第31回 配偶者居住権を検討しよう

配偶者居住権は、平成30年の相続税法改正で作られた相続人である配偶者のみに認められた権利です。配偶者居住権とは、それまで居住していた建物全部に無償で住める権利をいいます。建物全体を使える権利です。注意すべき点としては、配偶者居住権が対象となる建物は、被相続人が単独所有していた建物に限られることです。配偶者以外の者と共有していた物件については対象となりません。 配偶者居住権ができた背景としては、平均

第30回 財産をコントロールしよう

相続税対策を検討するにせよ、家族信託の利用を検討するにせよ、ご自分の対象となる相続財産には何が幾らぐらいあるのかを把握しておかなければ始まりません。特に昨今は、平均寿命が延びてきており、自分が存命中にあといくらのお金を使うことができるかも知っておかなければ安心できません。平成元年のデータで、男性の平均寿命は81.4歳、女性の平均寿命は87.5歳となっています。これは平均寿命なので、実際に元気で活動

第29回 家族信託を検討してみよう

家族信託は、認知症対策として最近注目されてきています。具体的には、たとえば、認知症対策をしたい父親が息子に相続財産を管理してもらうために、信託契約を締結し、父親が認知症になった後も息子が父親の信託財産を管理できるようにする手法です。次のようなプロセスをたどっていきます。 1 信託契約の締結 父親を委託者兼受益者、息子を受託者として信託契約を締結します。この信託契約の締結により次のような効果がありま