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第10回 遺言書を書く前に自分の財産を確認しよう

当たり前の話ですが、遺言書を書くためには、ご自分の財産を奥さんやお子さんという相続人にどう渡すかを決めなければなりません。つまり、そのご自分の相続財産を誰にいくら渡すかの意思を書面にしておくというのが、遺言書です。ですから、遺言書を書くための準備としては、ご自分の相続財産がいくらあるのか、まずその総額を把握することが必要になります。遺言書を書く前にご自分の財産がいくらあるのかを確かめておきましょう。それは財産目録という財産の一覧表にまとめておけば良いのです。

多くの方にとっては、主な財産は、預金、株式等の金融資産とご自宅等の不動産だと思います。投資用の不動産をお持ちの方はそれも含めます。住宅ローン等の負債もわかっているものは財産目録に含めておきましょう。負債は、相続人が共同して引き継ぐものですが、財産から負債を差し引いた純財産がいくらくらいあるのかを把握しておくことは需要です。そして、エクセル等の表計算ソフトを利用してご自分の財産の一覧表を作成してみましょう。

不動産については、あらかじめ不動産登記の全部事項証明書を入手してパソコンで財産目録に含めて作成するのが良いと思います。相続税がどれくらいかかるのかが気になる方もおられるかもしれませんが、ここではご自分の財産の総額を算出するのが目的ですので、いったん、相続税のことは忘れて、できるだけ網羅的に現在のご自分の財産の棚卸をされることをお勧めします。

サラリーマンの方は、退職時にご自分の財産がどれくらいあるのかをつかんでおくことはとても大切です。これから何年続くかわからない老後の資金計画のためにもご自分の財産の棚卸は必要です。ですから、退職後の落ち着いた時期に、相続税対策と老後資金のためにぜひ自分の財産の棚卸を作成なさってください。それによって老後のプランもたてやすくなります。ご自分の財産の棚卸の目録が完成しましたらあとは相続人への配分です。誰にいくら渡すかを決めればよいのです。その場合、注意すべきことがありますので、次回はそのことについて話したいと思います。

令和2年9月30日(水)

公認会計士

小林茂夫

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