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第1回 WITHコロナの相続を考えてみよう

最終更新: 2日前

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のおかげで、私たちの生活は一変しました。緊急事態宣言が出され、欧米のように都市のロックダウンこそなかったものの、不要不急の外出は制限され、私たちは自粛生活を余儀なくされました。飲食店をはじめとする商業施設は休業を要請され経済活動が著しく制限されたのは記憶に新しいところです。緊急事態宣言が解除されてからは、休業を余儀なくされた商業施設も徐々に再開し、少しずつではありますが落ち着いた日常を取り戻しつつあるように感じます。ただ、政府からは「新しい生活様式」が提案され、新型コロナの感染防止策が前提となった生活様式に移行しました。将来、新型コロナのワクチンが開発されるまでは、「ウイズコロナ」の世界で私たちは生きていかなくてはなりません。「新しい生活様式」が求める身体的距離の確保やマスクの着用など、私たちは新しい日常生活の変化に対応していく必要があります。このような新しい生活様式が要請される時代を、以前の時代と区別するために以下は「ウイズコロナの時代」と呼びたいと思います。

さて、長引く自粛生活の中で、ウイズコロナの時代に対応するための相続についてゆっくり考えてみました。ご存知の方もおられると思いますが、相続法の改正に伴って、法務局における遺言書の保管等に関する法律(遺言書保管法)ができ、これにより、2020年7月10日から遺言書保管制度が始まりました。これは、皆さんが書いた自筆証書遺言を法務局が保管してくれるというものです。この制度が始まったこともウイズコロナの時代に対応するための相続について考えてみるきっかけになりました。次回以降で、その内容についても説明していきたいと思いますが、ウイズコロナの時代に対応するための相続のキーワードはデジタル資産だと個人的には思います。

ご存知のように、コロナによって、多くの会社で自宅にいながら仕事をするというテレワークが普及しました。私の友人の会社でもテレワークの推進のためにパソコンを大量に購入し従業員に支給した例がありました。インターネットを駆使して、パソコンを使用して業務をこなすという働き方改革がいやおうなしに進む結果となりました。

相続についてもアフターコロナの時代では、自宅にいながら資産管理をすることが基本となります。ご自分の相続財産をデジタル資産で管理すれば、銀行に行く必要もないですし、パソコンやスマートフォンさえあれば自宅で金融取引が簡単にできます。そのベースになるのがインターネットです。いわゆるネット取引の活用です。

インターネットが普及してずいぶんと年月が経ちました。生活のあらゆる場面でインターネットを使った取引があたりまえの時代になってきました。アマゾンや楽天市場でネットショッピングを楽しめますし、レストランやホテルの予約もネットのサイト等で安く迅速に注文ができるようになりました。飛行機や新幹線のチケットもスマホで簡単に予約できる時代になりました。本当に便利な世の中になったものです。金融取引も例外ではありません。銀行の預金取引、証券会社の株式の売買取引等は、インターネットで簡単に取引ができる時代になりました。大昔は、私たちが銀行に預けてある預金を引き出すときは、通帳と印鑑を持って行って銀行の窓口で預金を下ろしていました。その後、キャッシュカードが出てきて、それで銀行のATMで現金を下ろすのが一般的になりました。キャッシュカードは、預金を引き出すのに今でも一般的ですが、金額が大きい振込や多額の預金の引出の場合はやはり銀行の窓口に行く必要がありますし、多くのキャッシュを持ち歩くと盗難のリスクもあります。インターネットを利用すれば、大きな金額でも自宅で簡単に取引ができます。

今後、ウイズコロナの時代では、インターネットを使った、銀行取引や証券取引はより普及するでしょう。みんな、わざわざコロナのリスクを冒して銀行に行きたくないですし、誰でも、インターネットを使ってネットバンキングするのがあたりまえになります。そして相続においても、ネット取引が新しい日常になります。つまり、アフターコロナ時代では、インターネットのネット取引でデジタル資産を保有して奥さんや子供に相続していく、つまり、財産を渡していくというのが基本になってくるでしょう。

実際に、最近の傾向として、銀行預金取引や株式投資取引は、インターネットを使用したネット銀行や証券口座の利用が拡大しています。ウイズコロナの時代では、このようなデジタル化の流れは、これから益々進んでいくでしょう。最近は、AI技術の飛躍的な発展によってどんどんコンピューターが人間に代わって活躍する分野が増大することで、一部の方は失業の危機感を持つ人さえ表れてきています。ウイズコロナの時代では、インターネットは、もっともっと私たちの生活に浸透していくことでしょう。

従来のように、通帳と印鑑が相続時に活躍する時代は終わりました。これからは、ネット取引への対応とその結果としてのデジタル資産の管理が非常に重要になってきます。皆様の大切なデジタル資産を皆様の子供達にどのように残していけばよいか、また、子供の立場からは、ご両親のデジタル資産をどのように漏れなく引き継いでいけばよいかについて考えていきたいと思います。デジタル資産は、保有しておられるご本人はどの金融機関に何があるかをよくわかっているはずですが、案外、相続の観点からはそれをどのように安全に子供たちに引き継ぐか難しい面もあります。そんなデジタル資産の管理を含めて、次回以降は、もっと詳しい具体的な相続についての情報を皆様に発信していきたいと思います。この内容が、相続を考えておられる皆様方の参考になれば嬉しく思います。

今回は、前書きのような内容になってしまいましたが、定期的に更新していきますので次回以降もよろしくお願いします。

令和2年9月15日(火)

公認会計士

小林茂夫

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